フリーランスってのは個人事業主なのである
当たり前な話ですが、フリーランスになるという事は、会社員1名しかいない会社の社長さんです。法人登録しているわけではないので、正式に会社というわけではないと思いますが、そういうものなんです。
この感覚ってのはとても大事で、社長であるあなたは事業に関する一切を自分でやらないといけないという事を忘れないでください。
と言うと構えてしまって尻込みしてしまうかも知れませんが、大丈夫です。世の中の殆どフリーランスの人が税に関して殆どよく分かっていません笑(当然、サラリーマンなんて全く分かっていない)
そしてフリーランスで仕事を開始するという事は事業を開始するという事で、法律上、開業した事を開業から1ヶ月以内に届けないといけません
(開業等の届出)
所得税法 | e-Gov法令検索
第二百二十九条 居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日から一月以内に、税務署長に提出しなければならない。
開業届は出さなくても全く差し障りがない
1ヶ月以内に開業届を出さなくてはいけないと言った物の私、ライトニングは0年以上フリーランスとして生きたにも拘らず、実は『開業届』を出して事がありませんでした笑
だって、そんなもんが必要だって知らなかったんですから――
で、なにか不都合があるかと言うと……
不都合は何もありません!
開業届を出さなくても確定申告できますし、出せ!と一度も言われた事ないですし……
出すメリットないじゃん!っと思うので調べて見た所
ぐらいのようです。
『屋号』で銀行口座を作る事ができる
屋号で口座というのは、俗に言う『法人口座』ではないようです。あくまで個人口座の延長のようなので、お店を開くような事であれば意味があるような気がしますが、いわゆるフリーランスとしては敢えて屋号をつける必要があるとは思いません(個人的に)
青色申告するには必要
いまだに知らない人が多いのですが、所得300万以下が免除されていた白色申告の帳簿の記帳義務が平成26年(2014)1月からなくなり、青色と同じく所得に関係なく記帳の義務が生じました
個人の白色申告者のうち前々年分あるいは前年分の事業所得、不動産所得又は山林所得の金額の合計額が300万円を超える方に必要とされていた記帳と帳簿書類の保存が、平成26年1月からは、これらの所得を生ずべき業務を行う全ての方(所得税の申告の必要がない方を含みます。)について必要となります。
お知らせ|国税庁
同じ記帳するならば白色も青色も同じだろうと思うかも知れませんが(まさに私がそうでした笑)、正直、簿記の知識がないとパソコンでやるとは言え、青色は難しいです。
青色は白色で確定申告が慣れてからチャレンジした方が良いと思います
義務なんです
『義務なんです』と言われたら、はいそれま~で~よ~なんですが、実際には届出がなくとも罰則はありませんし、後から数年逆上っても届け出を出す事は可能です
ほえー
税務署に行って開業届出してみよう
なんか開業届を出す必要があるのか?と思ってしまいますが、この件に関しては後述するとして、開業届の出し方を説明しておきたいと思います
公式サイトで届出書をダウンロードしてPDFで印刷、郵送しても良いですが、e-taxが主流になり税務署に行くこともなくなると思うので、せっかくなので勉強だと思って税務署に行って出してみましょう!
自分の税務署を確認
届け出は自分の住所の管轄する税務署でないといけません
上リンクで住所の郵便番号を入れると管轄する税務署が分かります
持っていく物
- 印鑑(シャチハタのようなインク式はダメだが、安いのでOK)
- マイナンバーカード
※カードがない場合、通知カード等+身分証明書(詳しくはこちらを参考)
これだけです
いざ!税務署へ
行ってみれば分かりますが、だいたい何処も駅から離れていてへんぴなところにあります笑
そして『総合受付』へ向かう訳ですが、建物からみて市役所のような受付があると思いますが、たいていかなり小さい受付です(職員2人ぐらいしか受付にいない)オドロキ
せっかくなので、『開業届』と一緒に『e-Tax用ID・パスワード』の発行もお願いしましょう
開業届の記入
職員の方にお願いするとこのような用紙を貰えます(複写式になっている)
これだけ見ると嫌になってしまいますが、実は書くところは、それほどありません
窓口でやったからか書き込む場所は上図の赤色の部分だけ
納税地
住所地の○を黒く塗りつぶして、住所を書きます
氏名・生年月日
説明不要だと思いますが、書き込んでください
そして印鑑を捺印します(朱肉は税務署でお借りできます)
個人番号
マイナンバーを書き込みます
職業
ここ一番大事!
以前の記事でも書きましたが、職種にもよりますが、どちらか選べるのであれば個人事業税が掛からない方を選びましょう!
個人事業税ってのは、地方税で所得税とは別に所得に応じて課税されます(うひゃー)
フリーランスで気をつけるキーワードは――
- 「広告」
- 「請負」
- 「写真」
- 「演劇興行」
- 「デザイン」
- 「理容」「美容」
あたりかと思います
映像に携わる職種ならばまとめて『映像制作』とかにしておけば良いかと思います(って言うかこの職種って時代によっても名前変わるし基本的に自分が勝手に決められるし、変な制度です)
この件、本職(上リンク)ですらビシッと答えが出せないようなので、最終的には都税事務所や県税事務所の方と相談するしかないかも知れませんね
とは言え、ここまで言っておいてなんですが、当分は気にしなくても良いと思います。
と言うのも所得290万までは事業税免除なので、このサイトを見ているような確定申告ビギナーさんはまだまだ先の話かと思われます(Youtuberとかで急に所得が増えたって事がなければ……)
基本的には、この職業欄は主になるひとつの職業を書く所ですが、追々節税する意味でも『文筆業』を併記しておきましょう(これに関してはかなり後に記事にしたいと思います)
屋号
屋号ってのは『店の名前』みたいな物ですね。会社の名前と考えても良いですが、法人化していないので正確には『会社みたいな物』です。
文筆業ならばペンネームなんかを入れても良いです。
特にないならば空欄にしましょう(と言うか普通空欄で良い)
届出の区分
開業の所の○を塗りつぶすだけでOK
所得の種類
不動産や山林と関係ないならば、「事業(農業)所得」の○を塗りつぶします
開業・廃業等日
開業日をいつからにするか?ってのは諸説あるようですが、働きだした覚えやすい日にちにしておけば良いかと思います。(収入があったかどうかは関係ない)
意外にこの日にちってローンを組んだりする時などによく聞かれる事があるので、○○年4月1日などにしておいた方が間違えづらいかと思います
開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
「青色申告承認申請書」又は「青色申告の取りやめ届出書」
まだ青色申告をやらないので「無」を塗りつぶし
消費税に関する「課税事業者選択届出書」又は「事業廃止届出書」
これは微妙な所ですが、今の所「無」を塗りつぶしておきましょう
実は売上が1000万を超えないと受け取った消費税を納税しないで良いというとても有り難い仕組みが現在あります。(支払先から報酬に消費税が付いていたとしても)
納税義務の免除
消費税では、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、納税の義務が免除されます(注1)。
No.6501 納税義務の免除|国税庁
『課税事業者選択届出書』ってのは、この有り難い免除を受けないで「課税事業者になりますよ」て言う届出なんです。するわけないですよねー!
が、令和5年(2023)から始まる『インボイス制度』によって、フリーランスの報酬交渉が一変すると言われています。(これも多くのフリーランスの方があまり知っていない)
令和5年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入されます。
インボイス制度|国税庁
適格請求書を交付できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られます。
「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
この話は長くなるので、別の記事にしようと思いますが、簡単に言うと免税事業者を企業が使うと消費税的に企業が不利益になる制度なんです。
どうなって行くかは、その業界の状況もあり、分かりませんが考えらるのは――
- 免税事業者は使わない
- 免税事業者には消費税を払わない
のどちらかになりそうな感じがします。どちらにしてもフリーランスにとっては不利益ですよね。
とは言え、いますぐに消費税まで申告するのは、かなり作業的に負担になると思うので、ここは「無」にしておきましょう
事業の概要
正直言って、ここ書かなくても受理されました笑
これ、わざと書かなかったのではなく、職員が「こことここだけ書いてください」と言った所に含まれていなかったんです
あまり税務署の処理的には関係ないのかな……
書くのであれば(書かなくて良いならば書かない方が良いと思う)、始めようとする事業の説明を書けばよいかと思います。と職業欄と同様「文筆業」の仕事内容として下記を追記してください
これを加えるのは、いずれ解説したいと思う節税のためです。
給与等の支払いの状況
専従者
「ひとり親方なんで給与なんて誰にも払うわけないじゃん!」って思われるかも知れませんが、実は配偶者など家族に給料を払うと、白色申告でも一定金額の所得控除があります(ちなみに青色だと全額経費扱い!※)
※正確には事前に申請した給与額までの範囲まで
と色んな書籍やウェブサイトにメリットばかり書かれていますが、鵜呑みにしてはいけません!
(1)でまず躓きます!このご時世、配偶者もだいたい別で働いてます!
次に(2)ですが、お店のようにアルバイトを雇っているような方は、同じような作業を既にしているので良いと思いますが、自由業なフリーランスにとって(2)は、かなりの作業的に負担。
とは言え、(2)のような負担は専従者(配偶者)にやッて貰えばよいとも思うので、パートナーの同意を得られれば、やってみても良いかもです
いずれにしろ白色申告では、フリーランスとしてはメリットが少ないので「無」で
使用人
従業員の事ですね。このサイトが対象としているフリーランスの人は「無」ですね
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
これは前述の給与に伴う源泉徴収納付に関する事ですが、従業員がくない場合は毎翌月に納付しないといけない源泉徴収を年2回納付にしますっていう申請書なので、従業員がいなければ当然「無」を選択で
記入完了
書き込むとこんな感じになります
解説しながらなので記事が長くなりましたが、たいして入力している所がないことが分かると思います
提出すると検印済の控をもらえるので、大事に取っておきましょう
申告書提出票の記入
ライトニングは同時にe-Tax用のID・・パスワードの申請も一緒にやってしまったので、開業届単独でも提出するのかどうか怪しいのですが、税務署窓口でマイナンバーを記入した書類を提出する際は毎回書かないといけないようです
平成 29年1月から、税務署に多くのマイナンバー記載書類が提出されることとなり、税務行政において社会保障・税番号制度が本格化します。
「提出票」作成のお願い | 国税庁
これを契機に、重要な個人情報を取り扱う行政機関として、提出された書類を従来にも増して厳格に管理する必要があることから、納税者(税理士)の方が税務署の総合窓口(管理運営部門の窓口)で申告書・届出書等の税務関係書類を提出される際には、併せて「提出票」の記載・提出をお願いすることとしたものです。
と言っても基本的に「名前」と「電話番号」を書くだけです
開業届は出す必要があるのか?
本題に戻りますが、さて本当に急いで開業届を出す必要があるのでしょうか?
あくまで個人的な意見としてですが、ライトニングはわざわざ開業届を出すためだけに税務署へ行く必要はないと思います(こんな事書くと怒られそうですが、税理士とか本職の人は書けないと思うので敢えて書きます)
開業届は義務ではありますが、期限内に出さなくても罰則はありませんし、後から逆上って提出することもできます(実際に私は20年以上前の開業で今回提出しました)
まして開業届を出さなくても十分に確定申告できます。開業届の有無より実際は確定申告の実績の方が事業の証明としては有効です。
開業届を出したって事は、やめる時に廃業届も出さないといけません。これからフリーランスで働く人は、実際やってみて自分には向いていないと1年で諦める方も多いと思います。税務署に行くなにかしらの理由があればついでにやる程度で良いかと
ちなみに青色申告は開業届を出していないといけないと規定はありますが、実は私、開業届を出さずに青色申告をしておりました(えー)。(青色申告の申請時に職員の方に言われなかったんですよ……)
まあ意外にこの辺の手続きは担当者によっては厳密な人もいるので、なんとも言えませんがね……
あくまで自己判断だと思います
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